第二子の妊娠がわかった。うまくいけば夏頃まで体の中で人間を一人育てて、それから出産することになる。
妊娠までの経緯
子どもがほしいと思い、産む方法と産まない方法の両方を考えた。
わたしは反出生主義の考え方も一部理解できるし、すでに養育者を必要としている子どもがこの世界に存在するならば、新しい子どもを生み出さなくてもいいのではないかと思っていた。
一方で、第一子を妊娠していたときには元夫からモラハラを受けていたため幸せな思い出があまりなく、かつ、それでもなお妊娠そのものは楽しかったので、今の環境でもう一度妊娠を経験したい思いもあった。(この考えはすごくエゴイスティックだと思うけれど、そもそも子どもをほしがること自体がエゴイスティックで、いずれにしても罪深さからは逃れられないと思っている。)
そういう相反する考えのもと、夫との話し合いを経て、わたしたちは妊活(産む方法)と特別養子縁組(産まない方法)を並行して進めることにした。
妊活(産む方法)と検査
妊活のことは自分で調べたり、友達や同僚に情報を教えてもらったりした。その中で、排卵検査薬やシリンジ法など色々な方法があることを知っていった。
そして妊活を始めて数ヶ月が経過した頃、これから妊活と特別養子縁組のどちらに比重を置いて取り組んでいくかの参考にするため、早めに不妊治療専門クリニックで検査を受けた。
特別養子縁組(産まない方法)
特別養子縁組とは…… 子どもの福祉のため、子どもと生みの親との法的な親子関係を解消し、子どもと育ての親が法的な親子関係を結ぶ制度。詳しくは厚生労働省のサイトへ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169158.html
特別養子縁組で子どもがほしいと思ったら、児童相談所で里親登録をする方法と、民間のあっせん事業者を利用する方法がある。児童相談所での里親登録をあっせんの条件にしている民間事業者もあると知り、わたしたちはまず児童相談所へ連絡した。そして最初の電話で、特別養子縁組の動機や家族構成(※)などを担当の児童福祉司に伝えた。※自分、夫、5歳の第一子の3人家庭。夫とは第一子が3歳のときに結婚した。
夫と第一子には血縁関係がなく、それでも羨ましいほど仲がよく、双方に深い愛がある。そんな二人がいるからこそ、特別養子縁組で子どもを迎えることに何の抵抗もないし、第一子と同じように愛していける自信がわたしたちにはある。そのことも伝えたが、児童福祉司から伝えられたのは「実子のいる家庭に子どもをお願いした実績が何年もないから、何とも言えない」ということだった。当時のモヤモヤがツイートに残っている。
モヤモヤを抱えたまま、わたしたちは管轄の児童相談所へ行き、特別養子縁組とその前提となる里親制度について説明を受けた。
さっき「すでに養育者を必要としている子どもがこの世界に存在するならば、新しい子どもを生み出さなくてもいいのではないかと思った」と書いたが、児童相談所の説明を聞いてみると、この認識が現実とズレていたことがわかった。
養子を待っている待機家庭から話を聞いたこともあったので養子を迎えるには長い時間がかかることは知っていたが、この児童相談所が管轄するエリアではわたしが思っていた以上に養子縁組を必要とする子どもの数は少ないことがわかった。そして、この場でもやはり実子のいる家庭への委託は、そうでない家庭と比べて懸念事項が多くハードルが上がるという説明を受けた。
この日は「特別養子縁組で子どもを迎えられる望みは薄そうだね」と夫と話しながら帰った。それでもわたしたちは里親登録を目指すことにするのだが、詳しくはまた別の機会に書く。
妊娠
こうして里親登録のスケジュールを考えつつ、不妊治療専門クリニックで検査を進める最中、幸いにも自己タイミング法で妊娠が叶った。第一子も喜んでくれ、赤ん坊のいる生活を楽しみにしている。
妊娠とそれに伴う体調不良は、現代の科学ではどうしてもわたし一人で背負うしかないが、だからこそ夫はできることの全てをしてくれている。わたしが禁酒するのが辛くないように大好きなお酒も一切やめた。毎日の食事も第一子のお弁当も使ってくれるし(これは妊娠前からだけど)、毎晩わたしのベッドに湯たんぽを入れておいてくれる。
妊娠しているのはわたし一人だが、「妊娠というミッション」は二人で取り組んでいる感覚がある。第一子の妊娠時と比べてつわりがかなりキツいけど、おかげで精神的には元気でいる。
みんなへ
このまま問題なく胎児が育っていけば夏の終わりにはうちにいる子どもが二人になります。今後ともあかるいをよろしくお願いします。ただ、Twitterではしばらくつわりなど妊娠に関するツイートが多くなると思うので、それを見るのがしんどい方はミュートなどしていただければと思います。
この文章は夫の許可を得て掲載しています。